糟谷弦楽器工房

Artisans complex
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ヴァイオリンのデザインと黄金比
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職人のおぼえがき職人糟谷の個人的雑記)   

素朴な疑問を書き留めておく素朴なページ。(未解決な疑問集)


●なぜヴァイオリンのフルサイズは「4/4」というのか?

1とか2/2とか3/3でもいいのではないでしょうか?
なんで4/4なんでしょうか。
拍子でシャレるなら、
西洋では昔、基本の拍子は3拍子だったそうで、3/3の表記になりそうなものだし。
数学的には、1でよいのではないか?

4/4はなんらかの計算の途中で登場する数字なのかもしれない。

数学をもっと勉強しておけばよかった。

しかし、ヴァイオリンという楽器は発音する機構に関しては厳密なサイズがあるものの、
デザインやボディーの大きさに関しては結構アバウトだったりします。

発音機構に関する物理学的数字か?文化的美術的背景のある数字か?

すぐ分からなくても、のんびり暇なときに調べよう。


27cm

いつの日かマエストロ・モラッシーが言っていました。
「指板の長さは27cm、また力木の長さも27cm。不思議な符合だね。」
といった感じでにこやかに。

それ以上の追求はありませんでしたが、ヴァイオリンの魅力をさらに強く
感じることが出来たお話しでした。

ヴァイオリンはいろいろな場所を測ると色々面白いことが感じられますよ。
あなたのヴァイオリンも測ってみると新発見があったりして?

たとえば左右のCの距離113mm。ボディーの長さ355mm。
355÷113は円周率の近似値だったり。

何故割るのか、何故ボディーとC間距離なのか、意味はないかも知れません。
信じるか信じないかはあなたしだい(都市伝説風(笑))

先にも書きましたが、ストラディバリもサイズには研究を重ねていたようで、
様々なサイズがあります、一概に言えるわけではありません。
例に挙げたのは標準的なヴァイオリンの場合です。

注意点が一つ。バロックヴァイオリンとモダンヴァイオリンはネックの長さや、
指板の長さ等に変更が加えられているということ。
サイズ研究には、フランスの製作家ジャン・バティスタ・ヴィヨームの存在も
忘れてはなりません。

5:8

ヴァイオリンフルサイズの全長は概ね590mm これを8として5に値するのは
概ね368~9mm。
ボディーのサイズにボタンを加えると概ね368~9mmになりませんか?
とすると、ボタンをけ書くときボタンのサイズに合わせた円の中心を裏板のアウトラインから
何ミリ上にずらせばよいか判明しないでしょうか?
スタイルの問題上ボタンは真円ではないので厳密に数字はは出せませんが、
369-355=14 
ボタンの高さは14mmになるように中心を決める。いかがでしょう?

問題点もあります。5:8の数字の根拠が1:1.618・・・・と割り切れない数字を
含んだ比率だということです。
その比率でミリ単位の位置を決定するには難点があるということです。残念。


ストップ長の謎

謎というほどではないですが。ストップ長はなぜ195mmが標準としての地位を
確立したのでしょうか?
 
時にネック長とストップ長が2:3になっているのが条件との声も聞かれます。
演奏上、音のつぼが大きくずれないように、どのヴァイオリンも2:3で、かつ
ストップ長を195mmにしよう。と決めたとかいううわさです。

結果から申しますと、演奏上の問題なら実際の弦の長さを基準にしたほうが良いのではないか?ということです。

195+130=325 325は2:3にしっかり割り切れますが、演奏上重要な弦長は、この場合327~8mmとなり2:3にすっきり割り切れない数字になってしまいます。

たしかに、重箱の隅をつつくような問題提起ですが、製作者としては製作コンセプトの問題と深くかかわり、重要な問題です。

提案として、
演奏に直接かかわる(ハイポジション取りのときの親指の位置などで)ネック長は130mmで固定。(弦長が変わることがつぼの問題と関係していますが、つぼより親指重視という方向で)
ストップ長を変更可能な数字とする。
弦長を2:3に割りやすい325mmとする。
となると、ストップ長+ネック長=322(小数点以下四捨五入で)
ということで、ストップ長192mmでいかがでしょうか?

少々とっ散らかった内容ですが、言わんとすることは伝わるのではないかと。。ご容赦ください。


●バロックヴァイオリン?ルネサンスヴァイオリン?

 

ストラディヴァリの時代、大まかにヴァイオリンがヴァイオリンとして完成した時代。

その時代のヴァイオリンは現代においてバロックヴァイオリンと呼ばれています。

その時代はルネサンスからバロックの時代へと移り変わるころでした。

過度の装飾、より現実的でドラマッチクで複雑な表現、それがバロックだとすると、

ヴァイオリンはバロック的といえるのでしょうか?

むしろ前時代のルネサンス的形式美をたたえていないでしょうか?

近年、海外の出版物もさることながら国内でもヴァイオリンのデザインに幾何学的な

根拠を求める考えが普及し始めています。

ヴァイオリンは、複雑な幾何学をさらにデコラティブにしているというよりは、基本的な幾何学的図形を元に実にシンプルに設計されている、と思われるのです。

ルネサンス期の発明であるヴァイオリンがバロック時代に広まった。

バロック時代に流行したヴァイオリンはルネサンス的楽器だった、と思えます。

美術史などは特に学んでいないので素人考えですが。バロックヴァイオリンという呼び名に少々違和感を覚えます。

 

 

●ヴァイオリンを構成する曲線

 

バイオリンと黄金比のかかわりはかねてより取り上げられておりますが、アウトラインを構成する曲線たちは黄金比をどの程度反映しているのでしょうか。

スクロールに関しては黄金等比螺旋であるとか、プンタやMBのC部のデザインはクロソイド曲線であるとか言われます。

完全な理想形を求めればそのような考え方でよいのでしょうが、実際のヴァイオリンは500年前のデザインです。

黄金等比螺旋はまだしも、クロソイド曲線などは極端ではないでしょうか。

楕円形にたとえると、正楕円ではなく擬似楕円を用いるような、意外とローテクを駆使したデザイン法なのではないでしょうか。

C部に関しても、直径の違う二つの円弧を結んで卵形を作るような、クロソイド曲線と擬似楕円のあいのこのようなデザイン法が用いられていたのではと考えます。

(専門外の用語も使いました、用法が間違っているかもしれません。ご指摘があればお知らせください。)

 

 

●不思議な話

 

神秘主義的なものに興味をもたれる方々の間で人気を分つ象徴が二つあります。

星形五角形と星型六角形です。

平面の世界ではかけ離れたこの二つの象徴。

立方体の世界では正20面体の中で仲良く一体化しています。

特に深い意味があるのか、なんとも言えないわけですが、なんとも面白いですね。